5.5.3 立脚相の屈曲の調整
立脚相抵抗は歩行中の踵接地時に発生し、EBS機構によって制御されます。調整レンチを使用し
てエラストマー製バンパーにかかる予圧を調整し、EBS機構の動作を確認します。立脚相での伸
展時の油圧抵抗を変更することはできません。前足部が接地してくると遊脚相の屈曲へと移行し
ます。
備考
EBS機構の調整は、膝継手背面のバンバーの下にあります。
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必要な工具と材料:
710H10=2x3 調整レンチ
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装着者は必ずEBS機構の説明を受け、その指示に従ってください。
1) 試歩行の際にEBS機構の動作を確認してください。
2) 備考: バウンシングの抵抗を弱めると膝の安定性が高まり、強めることで膝が不安定になりま
す。
希望する立脚相抵抗にするために、EBS機構のバウンシングの抵抗値を調整してください(画
像参照 10)。抵抗値を下げ過ぎて、歩行中にバンパーが底付きすることのないようにご注意
ください。
状況
立脚相抵抗が強すぎ、回転軸台が
末端部に届くまで膝折れする。
立脚相抵抗が小さすぎ、装着者が
充分に屈曲できない。
6 使用方法
注意
過度な負荷による油圧装置のオーバーヒート
機能が低下したり、義肢パーツが損傷して転倒したり、火傷をするおそれがあります。
オーバーヒートした義肢パーツには手を触れないでください。
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機能低下が生じた場合、動作を止めて、オーバーヒートした義肢パーツが冷えるまで待って
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ください。
オーバーヒートまたは機能変化が生じた場合、有資格者が義肢の点検を行ってください。
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注記
製品への負荷により発生する危険性
損傷により正常に機能しなくなる場合があります。
装着の都度、損傷がないことを確認してからご使用ください。
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正常に機能しない製品は使用しないでください。
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必要な処置をとってください (製造元のテクニカルサービスによるクリーニング、修理、
►
交換、点検など)。
6.1 ハーモニーポンプの使用
歩行中、膝継手のハーモニーポンプは自動的に作動します。伸展中には排気バルブから空気を排
気し、屈曲中にはソケットが陰圧状態になります。複数のポンプが作動して、ソケット内の陰圧
が高まります。立位で伸展や屈曲を行うことで、歩行をはじめる前に陰圧状態にすることができ
ます。
結論
EBS機構が柔らかすぎる(バウン
シングの抵抗が弱い)
EBS機構が固すぎる(バウンシン
グの抵抗が強い)
対策
調整バンパーを右(プラス)方向
に回します。
調整バンパーを左(マイナス)方
向に回します。
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