イコライゼーション
Graphic Equalizer の使用
各チャンネルの HIGH、MID-MORPH、LOW コントロールは、それぞれの入力信号の
トーンを調節するだけですが、7バンドグラフィックイコライザは、パワードミキ
サーの中を通るすべての信号のトーナルバランスを調節します。このグラフィック
イコライザはまた、ハウリング(アコースティックフィードバック)をなくすある
いは少なくするためにも使用できます。これにより、サウンドを柔軟に調節できる
ようになりますが、過度な調節は避けてください。
FLS
®
Feedback Locating System
FLS(フィードバックロケーティングシステム)LED インジケータは、ハウリングを
なくすあるいは少なくする上で重要なツールです。ハウリングは、スピーカーからの
音がマイクに再び入る結果、サウンドシステムから聞こえるキーンという大きな軋み
音です。FLS 機能を使用するには、最初にグラフィックEQ のスライダー(図 18)を
すべて 0 にセットします。次に、オーディエンスが来る前に、ハウリングが起こるま
で「マスターレベル」や「チャネルレベル」を上げます。どの LED が点灯するか確認
し、対応するスライダーを少し下げます。これによりハウリング周波数でのゲインが
下がり、この操作を必要に応じて繰り返すことで、ハウリングが起きる前にゲインを
改善できます。ただし、音質を損なうことのないように、スライダーは少しずつ調節
します。
使用のヒント
ハウリングを避ける
ハウリングを扱う上で最適な方法は、イコライゼーション (EQ) の調節で済ませる前に、システムのマイクとスピーカーの配置を調べ
ることです。音がオーディエンスの方に向けられ、マイクから離れるようにスピーカーが配置されているか確認します。マイクは、で
きるだけ音源に近づけて配置します。マイクを近づけると、ゲインを上げる必要がなく、システムの音量が大きくなります。
マイクの使用に関するガイドライン
可能なら、マイクは1本にするほうがいいです。マイクを増やすと、スピーカーから拾う音が多くなり、ハウリングを防ぐために各マ
イクを下げなければならなくなります。ただし、マイクを持つ各人のレベルのバランスをとるのが難しい場合、あるいは十分なゲイン
が得られない場合、マイクを増やすのはメリットがあります。たとえば、シンガーそれぞれにマイクを持たせれば、各シンガーにかな
り近づけてマイクを配置できます。これはマイク側の音量を上げることになり、複数のマイクを使用するデメリットをかなり相殺でき
ます。また、各マイクのボリュームを個別に調節して適切なバランスをとることができます。
のパッキング
Escort
®
Escort のメリットは少なくありません。サウンドシステム全体を、簡単に移動できるケースの中に収容できることもその1つです
(図 19)。まず、スピーカースタンドを折り畳み、次に、2つのストラップで収容ボックスに収めます。オプションのマイクを収容ボッ
クスに入れ、他のボックスにケーブルを入れるか、スピーカースタンドとともに収容します。スピーカーを、表面を下に向けてボトム
トレイの上に置き、4つのラッチを固定します。Escort はこれで搬送でき、また、スーツケーススタイルの車輪で移動することもできま
す。
図 19
図 18
「ゼロ」ポイントのEQスライダー