ですから、 たとえばライブでリードを取る時に
音量を上げたい場合は、 18Wから36Wに切り替
える (MIDI経由で) という手があります。 こ うする
と、 RED BOXのDI出力 (つまり、 ミキシング ・ コンソ
ールに送る信号) のレベルも同時に上がります。
いっぽう、 18Wから5W、 1W、 スピーカー ・ オフへ
と切り替えた場合、 RED BOXの出力レベルが変わ
らないようにしてあるのには、 きちんとした理由
があります。 これによって、 リハーサルや家での練
習、 サイレント ・ レコーディングと使用状況が変わ
っても、 MASTERノブをいじらずに部屋のサイズ
に応じてスピーカー出力のレベルが調節できる
からです。
TSC
TSC (チューブ ・ セイフティ ・ コントロー
ル) については後の章で解説しています。 詳しくは
第4章を参照して下さい。
POWER SOAK
これらのボタンでTubeMeister 36
の出力を選択し、 アンプの基本的な音量を設定し
ます。 この機能を使えば、 小さな音量でもアンプを
フルにドライブさせたサウンドが得られるので、
自宅のリビング ・ ルームで音を出しても近所に迷
惑をかけずに済みます。 また、 サイレント ・ レコー
ディング機能を使えば、 スピーカーから音を出さ
ずに、 ミキシング ・ コンソール経由で本物のチュー
ブをドライブさせたトーンが得られます。 昼夜を
問わず、 音を出さずに練習する場合は、 ミキサー
にヘッ ドフォンをつなげばギターの音がモニター
できます。
通常の 動作モード (出力36W) に設定されて
いる場合、 これらのボタンはどれも点灯しませ
ん。 18Wボタンを押すと、 TSC機能が2本の真空
管の動作を停止し、 出力が半分の18Wになりま
す。 5Wと1Wのボタンを押すと、 出力エネルギー
の一部が熱に変換され、 スピーカー出力がそれ
ぞれ5W、 1Wへと減少します。 スピーカー ・ オフの
モードでは、 全ての出力エネルギーが熱に変換さ
れ、 アンプの音はミュートされます。
POWER SOAKはただ音量を制御するだけの機能
ではありません。 この設定は、 アンプのトーンやレ
スポンスにも影響します。 パワー ・ チューブをあま
り飽和させずに、 レスポンスの速い芯のあるサウ
ンドが欲しい場合には、 POWER SOAKをフル ・ パ
ワーに設定し、 MASTERノブで音量を下げます。 よ
り粘りのあるチューブ ・ サチュレーション ・ サウン
ドを生かした、 艶のあるクラシックなロック ・ サウ
ンドが欲しい場合には、 POWER SOAKで出力を下
げ、 MASTERノブを上げて、 パワー ・ チューブに負
荷をかけます。
MIDIボードを接続すると、 チャンネルごとに異な
るパワー ・ アンプ ・ モードが設定できます。 この場
合、 たとえばCRUNCHチャンネルを低いパワーの
モードに設定してMASTERを上げれば、 パワー ・
アンプからクラシックなロック ・ トーンが得られま
す。 いっぽう、 LEADチャンネルをフル ・ パワーのモ
ードに設定してMASTERを下げておけば、 アンプ
からはよりモダンなサウンドが引き出せます。
アンプをミュートするモードにした場合、 Tube
Meister 36のSPEAKER出力にスピーカーを接続
する必要はありません。 このモードはサイレント ・
レコーディング用に設定されているので、 アンプ
の出力信号は余すところなくRED BOXの出力か
ら取り出せます。 パワーアンプを保護するため
に、 TubeMeister では、 SPEAKER出力端子からプラ
グを抜く と自動的にミュート回路が作動するよう
に設計されています。
注意: 出力を36Wから18Wに下げた際には、 TSC
が1組のパワー ・ チューブの動作を停止させます (
第4章を参照) 。 そのため、 アンプを18W、 5W、 1W
およびスピーカー ・ オフのモードに設定すると、
必ずTSCのLEDが2つ点灯します。 この場合、 TSC
は2本のチューブが動作を停止していることを示
しているだけで、 故障を検知したわけではあり
ません。
重要:POWER SOAKのモードを手動で設定した場
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