ぼすような異常がないことを確認した後、 患者を仰向け
に寝かせ、 空気で胃の拡張を行ないます。
2. 前腹壁越しに光を当てて、 主要血管、 内臓、 瘢痕組織が
ない位置に胃瘻造設部位を決めます。 この部位は、 通常、
ヘソから左肋骨縁までの距離の 1/3 の位置で鎖骨中線
上にあります。
3. 挿入予定部位を、 指で押さえます。 内視鏡検査士により、
腹壁の前側表面に形成されたクボミがはっきりと確
認できるはずです。
4. 選択した挿入部位に準備を施し、 皮膚を布で覆い
ます。
胃腹壁固定術による留置法
注意:胃壁を前腹壁にしっかりと固定させるには、 三角形
を成すように三箇所で胃腹壁固定を行なうことが推奨さ
れています。
1. チューブ挿入位置の印を、 皮膚につけます。 チューブ挿
入位置から等距離の所に、 三角形になるよう皮膚に印
を三つつけて、 胃腹壁固定の形を定義付けます。
警告 : T ファ スナーおよびバルーンによる障害を防ぐた
め、 挿入位置と胃腹壁固定位置の間には充分な距離を
おいてください。
2. 穿刺部位に 1% リ ドカイン (局所麻酔剤) を投与し、 皮
膚および腹膜の局所麻酔を行ってください。
3. 最初の T ファ スナーを挿入し、 胃内部での位置を確認
します。 この手順を繰り返して、 三角形のそれぞれの角
に 3 本のT ファ スナーを全て挿入します。
4. 胃を前腹壁に固定させ、 手術の手順に従ってください。
瘻管造成
1. 胃に空気を注入しながら、 腹壁と並列させて瘻管を造成
します。 胃腹壁固定の三角形の中心に穿刺部位がある
かどうか確認してください。 胃体遠位の上に部位が位置
されていること、 これが肋骨縁の下かつ横行結腸の上に
あることを、 内視鏡の誘導下で確かめてください。
注意:内側直筋の 2/3 かつ外直筋の 1/3 が交わる所
を通っている腹壁動脈は避けてください。
警告 : 穿刺針を深く刺し過ぎると後胃壁、 すい臓、 左腎、
大動脈、 脾臓に穴があいてしまうことがあるので、 気を
つけてください。
2. 穿刺部位に 1% リ ドカインを注入し、 腹膜面まで局所
麻酔を行ってください。
3. 胃腹壁固定の三角形の中心から、 .038 インチに適合す
る導入針を、 胃管腔に刺します。
注 : ガストロストミー チューブを設置する際、 最適な挿
入角度は皮膚表面から 45 度です。 PEGJ チューブに
取り替えることが予想される場合は、 幽門に向けて針を
刺してください。
4. 内視鏡で、 穿刺が正しく行なわれているか確認してくだ
さい。 水が入ったシリンジを針基に付けて胃管腔から空
気を吸引すると、 確認が容易になります。
5. 最大 .038 インチのガイドワイヤは、 針に通して胃の中
まで進めます。 位置を確かめてください。
6. チッ プ ガイドワイヤを残したまま導入針を抜き、 施設の
プロトコールに従って針の処理を行ないます。
膨張
1. 11 番のメスで、 ガイドワイヤに沿って皮膚を少しだけ
切開します。 その際、 皮下組織と腹筋肉組織の筋膜ま
で、 下に向けてメスを入れてください。 皮膚切開後は、
施設のプロトコールに従って拡張器の処理を行なって
ください。
2. ガイドワイヤに沿って拡張器を挿入し、 好みのサイズま
で瘻管を拡張させます。
3. ガイドワイヤ上の拡張器を外し、 ガイドワイヤは部位に
残したままにしてください。
チューブの留置
注 : ピールアウェイ ・ シースを使用して瘻管にチューブを通
すこともできます。
1. 胃瘻栄養補給チューブは適切なサイズを選択し、 上記
のチューブ準備手順に従って準備を行なってください。
2. ガイドワイヤに沿って、 チューブの遠位末端を瘻管に通
し胃内部まで挿入します。
3. チューブが胃内部にあることを確かめてから、 内視鏡を
抜き、 ガイドワイヤまたはピールアウェイ
シースを使用した場合はこれを取り除き、 バルーンの拡
張を行ないます。
4. のルアースリッ プ シリンジで、 バルーンを膨らませてくだ
さい。
• 滅菌水または蒸留水 2 ~ 3 ml で、 LV バルーンの拡
張を行ないます。
• 滅菌水または蒸留水 7 ~ 10 ml で、 標準サイズのバ
ルーンの拡張を行ないます。
注意: LV バルーンの場合、 注入総量が 5 ML を超えな
いようにしてください。 空気は使用しないでください。
バルーンには造影剤を注入しないでください。
注意: 標準サイズのバルーンの場合、 注入総量が 20
ML を超えないようにしてください。 空気は使用しない
でください。
バルーンには造影剤を注入しないでください。
5. バルーンが胃壁内部に触れるまで、 チューブを腹部から
手前に引き寄せるように静かに引きます。
6. チューブおよびストーマから、 残留する水分または潤滑
油を取り除きます。
7. SECUR-LOK* リングを皮膚から約 1~2 mm 上の所
まで静かにスライドさせます。
チューブの位置と開通性の確認
1. 水 10 ml を注入したカテーテル ティッ プ シリンジを、
栄養補給ポートに取りつけます。 胃内容物を吸引してくだ
さい。 空気や胃内容物が見られるときは、 チューブを洗い
流します。
2. ストーマ周辺の水分の有無を調べます。 胃から漏出の兆
候がある場合は、 チューブの位置および SECUR-LOK*
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リングの配置を調べてください。 必要に応じて、 液体を
1~2 ml ずつ加えます。 上記のバルーン容積を超えない
ようにしてください。
3. 開通性および設置が適切であることを確かめた上で、 医
師の指示に従って栄養補給を始めてくだ
さい。
チューブの除去
1. まず、 ベッド際で交換できる種類のチューブかどうか確
かめます。
2. すべての器具 ・ 道具を組み立てます。 無菌法で手の
洗浄を行い、 パウダー フリーの清潔な手袋をはめてく
ださい。
3. チューブを 360 度回し、 チューブが自由自在かつ容易
に動く ことを確認します。
4. カテーテル ティッ プ シリンジをバルーンポートにしっ
かりと挿入し、 バルーンから水を完全に抜いてください。
5. 腹部に逆圧をかけて、 そっと且つしっかりとチューブを
引き抜きます。
注 : 抵抗がある場合は、 水溶性の潤滑油でチューブとス
トーマを滑らかにします。 チューブを押しながら回しま
す。 静かにチューブをはずしてください。 チューブが出て
こない場合は、 所定量の水をバル
ーンに足して、 医師に報告します。 チューブを取りはずす
時には、 絶対に無理な力を加えないでください。
警告 : チューブの交換は、 必ず医師などの医療
専門家から訓練を受けてから行なうようにしてください。
交換方法
1. ストーマ部位周辺の皮膚を洗浄し、 空気乾燥させます。
2. 胃瘻栄養補給チューブは適切なサイズを選択し、
上記のチューブ準備手順に従って準備を行なってくだ
さい。
3. チューブの遠位端に水溶性潤滑剤を塗り、 チューブをス
トーマから胃にそっと挿入します。
4. ルアー スリッ プ シリンジで、 バルーンを膨らませてくだ
さい。
•
滅菌水または蒸留水 1 ~ 3 ml で、 LV バルーンの拡
張を行ないます。
•
滅菌水または蒸留水 7 ~ 10 ml で、 標準サイズのバ
ルーンの拡張を行ないます。
注意: LV バルーンの場合、 注入総量が 5 ML を超えな
いようにしてください。 空気は使用しないでください。
バルーンには造影剤を注入しないでください。
注意: 標準サイズのバルーンの場合、 注入総量が
20 ML を超えないようにしてください。 空気は
使用しないでください。
バルーンには造影剤を注入しないでください。
5. バルーンが胃壁内部に触れるまで、 チューブを腹部から
手前に引き寄せるように静かに引きます。
6. チューブおよびストーマから、 残留する水分または潤滑
油を取り除きます。
7. SECUR-LOK* リングを皮膚から約 1~2 mm 上の所
まで静かにスライドさせます。
8. 前記のチューブ位置の確認にある指示に従い、 チュー
ブの位置が適切か確かめます。
薬剤投与
薬剤は、 できる限り液体を使うようにし、 固体の薬剤を砕
いて水と混ぜたものが安全かどうか、 薬剤師に聞いてくだ
さい。 安全な場合は、 固体の薬剤を細かい粉末状にして水
に溶かしたものを、 栄養補給チューブから投与します。 腸
溶性製剤を砕く こと、 製剤を調合乳と混ぜることは、 絶対に
避けてください。
カテーテル チッ プ シリンジを使って、 規定量の水でチュー
ブの洗浄を行なってください。
チューブ開通性に関するガイドライン
チューブを適切に洗浄することは、 チューブの閉鎖を防ぎ
その開通性を維持する最上の方法です。 以下の記載は、 チ
ューブの閉鎖を防ぎその開通性を維持するためのガイド
ラインです。
• 継続的に栄養補給を行う場合、 栄養補給が途切れたと
き、 もしくは断続的な栄養補給を行なう前と後に、 栄養
補給チューブを 4 ~ 6 時間ごとに洗浄してください。
チューブを使っていない時は、 少なく とも 8 時間ごとに
洗浄します。
• 薬剤投与の前後および投与と投与の間に、 栄養補給チ
ューブを洗浄してください。 このように洗浄を行ない、 薬
剤と調合乳とが相互作用を起こしてチューブの閉塞が
起こることを未然に防ぎます。
• 薬剤は、 できる限り液体を使うようにし、 固体の薬剤を
砕いて水と混ぜたものが安全かどうか、 薬剤師に聞いて
ください。 安全な場合は、 固体の薬剤を細かい粉末状に
して水に溶かしたものを、 栄養補給チューブから投与し
ます。 腸溶性製剤を砕く こと、 製剤を調合乳と混ぜるこ
とは、 絶対に避けてください。
• クランベリージュースやコーラ飲料などの酸性洗浄薬
で栄養補給チューブを洗浄しないでください。 酸性質が
調合乳中のタンパク質と相互作用して、 チューブが詰る
ことがあります。
洗浄に関する一般的ガイドライン
• カテーテル ティッ プ シリンジは、 30 ~ 60 cc のもの
を使用します。 小さいチューブの場合、 圧力が増してチュ
ーブが破裂する恐れがあるので、 これより小さいシリン
ジは使用しないでください。
• チューブの洗浄は、 常温の水道水を使用します。 市の上
水道に問題があると思われる場合は、 滅菌水を使用し
ます。 水の量は、 患者のニーズ、 臨床症状、 およびチュー
ブの種類によって異なりますが、 平均量は成人で 10 ~
50 ml 、 小児で 3 ~ 10 ml です。 栄養補給チューブ洗
浄に使用する水の量は、 水分補給状態によっても影響さ
れます。 一般的に、 洗浄水の量を増やすと、 静脈内輸液